いわゆる「戸籍の束」について
相続人を確定して各種手続きを進めるために関係人の戸籍謄本を集めるわけですが、これが大量になった結果がいわゆる「戸籍の束」です。
昨今の少子化、核家族化からすると、戸籍の束なんてうちには関係ないと思われている方、そのぐらい自分で集められるよと思われる方も少なくないと思います。しかし、実は少子化、核家族化が進んでいるからこそ、戸籍の束が発生する可能性があるということを気に留めておいていただきたいと思います。
相続は上から下へが基本ですから、子供がいれば原則として子供に財産が相続されて終わります。その意味では通常は被相続人と子供の戸籍謄本を取ってきて終わります。しかし、もし子供がいなかったら?相続関係は一気に複雑化の様相を帯びてきます。
子供がいない場合、次は両親が相続権を有します。(高齢化の影響でご存命のことも多いと思いますが、)晩婚化の結果、既にご両親が亡くなっている可能性もあるでしょう。
すると今度は被相続人の兄弟姉妹が相続権を持ちます。これらの方々は少子化が騒がれる前の年代でしょうから、複数の兄弟姉妹がいるということは珍しくありません。その一方で、今の年代は核家族化が進んだ結果、親類関係との付き合いが少ないケースも多いでしょうから、これらの兄弟姉妹と連絡が取れるかどうか怪しくなってきます。
さらに亡くなった被相続人の兄弟姉妹ですから、当然年齢的にもそれほど差はないはずで、既に亡くなっている可能性も出てきます。その場合、もしその方に子供がいた場合代襲相続が発生するため、今度はその子供の戸籍が必要になります。
その子供がもし結婚していたら相手の戸籍に移っている可能性があり、その場合そこまで追わなければなりません。
というわけで、このような感じであっという間に戸籍の束が出来上がります。こういった相続に関する手続きのお手伝いをするのも行政書士の仕事の一つですので、お気軽にご相談いただければと思います。