法定相続情報証明制度
今回利用した法定相続情報証明制度ですが、相続手続きの簡略化の意図のもと平成29年5月から利用できるようになった制度です。
これまでは例えば、集めた戸籍謄本(いわゆる戸籍の束)をA金融機関に持参し、確認の後返却、次にB金融機関へ持参しまた確認の後返却、その後不動産の相続登記のために法務局に持参して・・・となり、都度返却されるまで他の手続きが行えず、特に複数の金融機関を利用しているような場合には時間がかかりました。
これに対してこの制度では戸籍の束と同様の効力を有する証明書を複数発行可能なため、これを用いることで同時期にまとめて行うことができるようになり、手続きを迅速に進めることが可能となりました。
もっとも相続手続きが不動産のみで終わる場合や金融機関が一つのような場合には直接戸籍謄本を提出しても大差ありませんし、証明書の発行に必要な戸籍謄本等の書類の収集の手間には変わりありません。
その意味ではこの制度を利用するメリットは限定的なものと言えます。