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相続関係説明図と法定相続情報一覧図

遺言の検認手続きの途中で諸事情から法定相続情報証明制度を利用することになったという案件があり、証明制度の申請部分について手伝ったところにあった落とし穴についてのお話です。

 

必要書類の大半が遺言手続きの方で既に集められていたので、戸籍謄本や住民票等とともに「相続関係説明図」のタイトル等を手直しして法務局へ出向きます。

 

遺言、相続を扱う方なら誰もが目にするであろう「相続関係説明図」
被相続人を中心とした関係者の出生や死亡が書かれているわけですが、担当者から、法定相続情報証明制度において提出する「法定相続情報一覧図」はこれとは違うんですというまさかのご指摘をいただきました。

 

話を聞いたところ「法定相続情報一覧図」に記載するのは「被相続人」と「法定相続人」のみ。その他の関係人の記載は不要とのこと。つまり、
父子家族で父が死亡した場合は父と子の情報のみで母の記載は不要。
被相続人の子が既に死亡しており、両親が相続人となる場合には子の記載は不要。
被相続人の兄弟姉妹が相続人となる場合、親の記載は「父」「母」であり個人名などの詳細は不要。
代襲相続が発生する場合、被代襲者は「被代襲者」として記載するのみで個人名などの詳細は不要。

 

このような感じで法定相続人を確定する上で必要となる法定相続人以外の関係者情報は書面上には出てきません。そう言われて改めて記載例を見直すと、なるほどそういうことかと感じるわけですが、いわゆる「相続関係説明図」を知っていると勝手に頭の中で補完してしまっていたわけです。

 

この制度において作成する図(=証明書としてだされる図)はまさに「法定相続人が誰か?」ということを証明するためのものであって、個人情報の重要性が謳われる今日においては証明書としてはそれさえ示せれば必要十分ということなのでしょう。一つ勉強させていただきました。

 

なお、法定相続人がだれか?ということを確定するために、法定相続人以外の関係者の戸籍謄本が提出書類として必要となることには違いはなく、一番手間のかかる関係書類の収集が面倒なことにはなんら変わりはありません。

 

ではこの証明制度のメリットは?ということについては別項で触れたいと思います。