荒木孝信行政書士事務所

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重要管理ポイント④

 各分類が終わったら、次にどのような管理を行うかを考えます。


 分類では大きく三つですが、実際の管理・チェック方法ではもう少し細かく検討する必要がある場合も出てくると思います。しかし基本的な視点は、前回の通り<増やさない> <やっつける>という食中毒三原則の視点です。そのためには食品をどのように扱えば良いか、どのような状態なら安全かを考えて管理方法、チェック方法を検討します。

 この際、匂いや色、焼け具合といった基準も管理基準とすることが認められています。しかし、このような五感による官能的指標は文言の曖昧さ(表現の巧拙、人によって文言の理解が変わってくる恐れがある)や各調理従事者の主観、感性の違いなどから、どうしても限界があります。そのため調理従事者において判断が異ならないよう、できるだけ具体的な記述を心がけてください。

 具体的にはどうすればよいか?これは、新人に初めてお店の料理を任せても普段と同じ料理を提供できるような方法を記載する、と考えてみると良いと思います。
 例えばハンバーグを例にすると、火の強さや時間、肉汁、見た目で判断することになりますが、それをできるだけ具体化し、病原菌を<やっつける>ことのできる、中心温度75度1分以上の過熱となるような調理内容の記載を心がけます。

例:中火で1~2分焼き、焼き色がついたら上下を返し、蓋をして5~6分蒸焼き、再び上下を返してさらに蓋をして1分蒸焼きにする。上面に焦げ色がついて、透明な肉汁が出ていることを確認する。

 またできればその調理工程が管理基準としてきちんと機能していることを確認してください。(上記の状態の場合に、計器を使って実際に中心温度を図り、加熱が十分かを確認する等。)

 飲食店においては、安全な料理を提供することはもちろんですが、誰が作っても、また誰に対しても同じクオリティの料理を提供することも重要です。<HACCPの考え方を取り入れた衛生管理>を行うことは、安全な料理のを提供するとともに、同じ味、同じ美味しさの料理の提供にも繋がります。ぜひ管理基準という視点から、レシピの記載を見直してみてください。