荒木孝信行政書士事務所

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記録の確認・衛生管理計画の見直し

 日々の記録を実施した後は、定期的にその記録を見直し、衛生管理の問題点や改善点を考えていきます。一月に一回程度は見直しましょう。特に繰り返し起きた問題点や管理計画からの逸脱は、原因、対策を検討し、衛生管理計画を修正、改善する必要があります。

 また衛生管理計画自体に無理がないかという視点も大切です。忙しい業務の中、日々記録をつけることは特に記録を始めたばかりの頃は大変な作業だと思います。無理な衛生管理計画では日々の記録を怠るだけでなく、場合によってはいい加減な記録を作成してしまうことも考えられます。後でまとめて記録をつけておけばいいや、とか、今日は10度、昨日も10度、一昨日は9度にしておくか、など思い当たることがあるのではないでしょうか。
 しかしそれでは記録の意味がなく、衛生管理計画も機能しません。そのため現場の従事者に対して記録の意味や重要性について衛生管理教育を進める必要があります。また同時に、従事者から直接意見などを聞きながら無理なく継続でき、実効性のある衛生管理計画へと見直しを図ることも大切です。

 こうして見直した衛生管理計画を再び実施し、継続して記録を取り、また定期的に衛生管理計画を見直す。最初に説明した通り、HACCPはこの繰り返しです。PDCAを繰り返すことでより良い衛生管理計画を作り上げ、より安全な食品提供体制を完成させていくのがHACCPです。

 このようにHACCPは長期的な視点で望むもので、そのためには経営者が不退転の覚悟で先陣を切って取り組む必要があります。また同時に従事者全員がきちんと対応できる環境や風土づくりに取り組む必要もあります。会社が一丸一体となって取り組むべき重要な課題ですので、是非頑張っていただきたいと思います。

 今回で一般飲食店向けの<HACCPの考え方を取り入れた衛生管理>についてのご案内は終了となりますが、HACCPについての不安、不明な点がありましたら、お気軽にご相談ください。事業、店舗に即し、継続可能な衛生管理計画の提案等をさせていただきたいと思っております。

※次回からは、食中毒の基本知識について解説予定です。