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食中毒の基礎知識①

今回から、一般事業者、飲食店等が<HACCPの考え方を取り入れた衛生管理>を行うにあたって特に注意すべき危害要因(食中毒の原因)を管理・コントロールするための基礎知識についてです。もちろん衛生管理に関する基礎知識ですから、<HACCPに基づく衛生管理>を行う際にも重要ですから再確認してみてください。

  1. 食中毒予防の三原則
    「つけない」「増やさない」「殺す」
    一般的にいわれる食中毒予防のための基本的な考え方です。
     

(1)「つけない」
食品の衛生的管理によって有害微生物をつけない。

(2)「増やさない」
有害微生物が増殖する危険温度帯に食品を置く時間を短縮したり、食品を冷却して増殖しにくい温度下に置く。

(3)「殺す」
十分に加熱等して有害微生物を死滅させる。
 

  1. 細菌とウィルスの増殖の仕方を知る
     細菌は周囲の成分を利用して細胞分裂で増殖します。食材を原因とする病原菌の増殖はこの細菌による増殖です。これに対してウィルスは「生きている細胞内」で細胞成分を利用して増殖します。つまりウィルスの場合はヒトへの感染後に増えるため、「増やさない」は感染の予防としてはあまり効果がありません。いかに「つけない」「殺す」かが基本となります。
     
  2. 芽胞形成菌(ボツリヌス菌・セレウス菌・ウエルシュ菌)を知る
     通常、病原菌は高温等の厳しい環境におかれると死滅します。しかし芽胞形成菌と呼ばれる種類の菌はそういった状況に陥ると「芽胞」と呼ばれる防護層を形成し変化します。この状態になると、増殖はしなくなる代わりに非常に高い耐久性をもつようになり、何ヶ月、何年という単位でその厳しい環境に耐え続けます。そして再び増殖に適した環境になると芽胞菌はあたかも種子のように発芽し増殖を開始します。
     芽胞形成菌はこのような性質を持っていることから、一般的な調理加熱では死滅しないことがあるので注意が必要です。