食中毒の基礎知識②
- 食中毒微生物の汚染源を知る
食中毒微生物の生息場所(汚染源)を知ることは、「つけない」ための注意点の理解につながります。
(1) 人と動物の糞便(サルモネラ属菌、カンピロバクター、病原大腸菌、ウェルシュ菌)
(2) 人の糞便(ノロウィルス、赤痢菌、コレラ菌)
(3) 沿岸海水、海産魚介類(腸炎ビブリオ)
(4)二枚貝(ノロウィルス)
(5)人の化膿創、手指、鼻汁(黄色ブドウ球菌)
(6)土壌(ボツリヌス菌、ウエルシュ菌、セレウス菌)
(7)環境全般(リステリア・モノサイトゲネス)
(8)豚、イノシシ(E型肝炎ウィルス、エルシニア・エンテロコレチカ)
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- 微生物が健康障害を起こす仕組みを知る
微生物が健康障害を起こす仕組みには大きく2種類あります。
(1)感染型食中毒
生きている微生物が消化管内で作用して、健康障害を起こします。生きている微生物を摂取しなければ、健康障害は起こりません。(病原大腸菌、サルモネラ属菌、カンピロバクター、ノロウィルスなど)
(2)毒素型食中毒
食品中で微生物によって産出された毒素が作用して健康障害を起こします。生きている微生物を摂取しなくても、毒素を摂取すれば健康障害を生じます。(黄色ブドウ球菌、ボツリヌス菌、セレウス菌)
※ウエルシュ菌や腸管内出血性大腸菌のように、摂取した菌が腸管内で増殖する際に毒素を算出し、その毒素が原因で健康障害を生じるいわば両者の中間のような菌もあり、これを生体内毒素型と分類する場合もあります。