荒木孝信行政書士事務所

荒木孝壬法律事務所 合同事務所

ご相談03-6550-8105

午前10:00から午後5:00まで

一般的衛生管理とHACCPの関係

<PRPとHACCPの関係>

 前回でハザード分析表は完成ですが、ハザード分析における一般的衛生管理(前提条件プログラム、PRPといわれることもあります。)の関係について触れておきます。

 HACCPでの管理は、決定したCCPにおいて温度や時間など一定の基準を設定し、それをモニタリングすることで管理するものです。それに対して一般的衛生管理はHACCPによる管理の前提となるもので、一般的衛生管理とHACCPの基本的な特徴は以下のように表すことができます。

一般的衛生管理・PRPHACCP
複数の生産ライン、工場全体にわたる1生産ライン(1製品)に特有の計画
比較的リスクが低いハザードを扱う起こりやすく、起きた場合の結果が深刻なハザードを扱う
許容限界が設定しにくいものでも管理が可能モニタリングが可能なパラメーターで、許容限界が設定できる。

 HACCPの特徴として「起こりやすく、起きた場合の結果が深刻なハザードを扱う」とあるように、前回完成させた6欄表での(3)の重大なハザードか否かの判断はまさにHACCPとして管理するか否かの判断要素といえるものです。そこで、(3)の判断において重大なハザードではないとする場合、PRPで管理すると判断されるものもあります。

 もっとも今日では、PRPだからといってリスクが低いハザードとは言えず、下記のようなHACCPで扱うことが難しい深刻なハザードの存在が検討されています。

■複数の生産ライン、工場全体にわたるもの

1.生産ライン間でのアレルゲン交差接触

2.工場環境からのサルモネラ、リステリア・ものサイトゲネスによる汚染

■許容限界が設定できない、モニタリングが難しい

1.納入業者からの衛生管理(刺身用の魚の購買など)

2.従業員からのノロウィルス汚染

 これらはCCPのような許容限界こそ設定しないものの、PRPで対処する上でCCPに近い厳しい管理が必要となることも考えられます。そこでハザード分析においては、本当にHACCPでコントロールできるものなのか、場合によってはPRPによる厳格な管理の方が有効なのでは無いか、という視点も重要です。