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HACCPプランの作成①
手順8(原則3) CL [Critical Limit] の設定

 手順7で決定したCCPにおいて、ハザードが管理されていることを確認するための基準(許容限界値)がCL(Critical Limit)です。実際の運用ではこの管理基準を観察・モニタリングし、基準を逸脱した際には製品の安全性が保てない状態といえるため、何らかの対処、是正措置をとることになります。
 ここで注意が必要なのは、CLは製品の安全性を確保するための基準であって、製品の品質などを加味して決定する運転基準(Operational Limit)とは異なるということです。OLにおいてはより厳格な基準となる可能性がありますが、HACCPは製品の安全性を確保するための衛生管理手法であることを忘れずに、CLを設定するようにします。
 CLは食品衛生法に定められている規格基準や業界団体のガイドライン、衛生規範や専門誌等の出版物等、科学的根拠で立証されている基準を原則として設定します。もしそのようなものがなければ、過去の経験則など感覚的なもので妥当性が認められるものを用いて設定することも一つの方法です。そのうえでCLの有効性に関して専門機関等に依頼し確認します。

  1. CLの設定要件

(1)ハザードが確実に死滅、除去、または許容範囲にまで低減したと確認する上で最適な指標であること。

(2)科学的根拠で立証された数値であること。

(3)可能な限り、リアルタイムで判断できるパラメータを用いた基準であること。

  1. CLの設定方法

(1)現在の製造基準を利用する。

(2)文献データや自社における過去の工程管理に関するデータを利用する。

(3)自社の測定・事件データ、数学的モデリング、予測微生物モデルを利用する。

参考:厚生労働省 食品別の規格基準について