荒木孝信行政書士事務所

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情報公開・開示請求



手続きの流れ(政府機関が文書を保有する場合)

情報公開請求フロー図

 

情報公開・開示請求とはなんですか?

 情報の送り手であるマスメディアと情報の受け手である国民の分離が顕著になった今日では、国民自らが様々な情報の収集、受領をすることにより様々な意思決定が可能となり、十分な表現活動が期待できることとなります。
 そこで、憲法21条の表現の自由の派生原理として「知る権利」が認められ、かかる権利の具体化としての情報公開法や条例に基づいて、政府や地方公共団体などが保有する情報を公開するよう求めることができます。

 

開示請求の対象はなんですか?

・政府機関を対象とする「行政文書」

 行政機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該行政機関の職員が組織的に用いるものとして、当該行政機関が保有しているものとされています。(行政機関の保有する情報の公開に関する法律2条1項)


・独立行政法人などを対象とする「法人文書」

 独立行政法人等の役員又は職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画及び電磁的記録であって、当該独立行政法人等の役員又は職員が組織的に用いるものとして、当該独立行政法人等が保有しているものとされています。(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律2条1項)


・各地方自治体を対象とする「公文書」(東京都の場合)

 実施機関の職員が職務上作成し、又は取得した文書、図画、写真、フィルム及び電磁的記録であって、当該実施機関の職員が組織的に用いるものとして、当該実施機関が保有しているものとされています。(東京都情報公開条例2条1項)

 
 このように、どの文書も、①職員が職務上作成し、又は取得したものであること。②文書等であること。③職員が組織的に用いるものとして保有しているものであることが主な要件となっています。

 

請求書面の記載事項はなんですか?

①開示請求をする者の氏名又は名称及び住所又は居所等
②文書の名称その他の開示請求に係る文書を特定するに足りる事項

 ②において、開示請求する文書の名称がわかったとしても、そのうちどの範囲で請求するか、ある程度の文書の限定が必要となる場合があることに注意が必要です。「〇〇に関する一切の書類」といった特定の仕方も可能ですが、業務に支障をきたすようないたずらに広範囲な指定は、開示が否定された事例もあります。

 

開示決定までどれくらいの時間がかかりますか?

 行政文書、法人文書に関しては原則として請求後原則30日以内に開示・非開示の通知をすることが定められています。また地方公共団体(東京都の場合)は原則として請求後14日以内とされています。
 もっともいずれの場合も例外が定められており、開示請求後60日までの延長が認められているため、最大で2ヶ月ほどかかる可能性があります。

 

開示、非開示の判断はどのような基準でなされますか?

 国民の知る権利に資するという意味では原則として公開されるべきですが、他方で、公開されることにより何かしらの権利利益の侵害や障害が生じることがあるため、非開示とされる事由が各種法律、条例にて定められています。ここでは行政文書に関して、行政機関の保有する情報の公開に関する法律5条を例にします。

1、特定の個人を識別することができるもの。(個人識別情報)

2、権利利益を害する等、一定の条件を満たす法人や個人の事業に関する情報。(法人情報)

3、国の安全や他国との信頼等に関わるもの。(外交防衛情報)

4、犯罪の予防、鎮圧又は捜査等、公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼす恐れのある情報(公共安全情報)

5、行政機関の内部又は相互における審議、協議などに関する情報であって、その公開により意思決定の中立性が不当に損なわれ、不当に国民の間に混乱を生じさせる恐れのあるもの等。(意思形成過程情報)

6、国の機関等が行う事業に関する情報であって、これを公にすることで事業の適正な遂行に支障を及ぼす恐れがあるもの。(事務事業情報)

7、行政機関非識別加工情報および非識別加工情報を作成する際に削除した個人識別符号。


 これに加えて、各条項に細目や例外規定が置かれています。このうち非開示事由とされやすいものは、個人識別情報と公共安全情報です。

 

開示決定がなされた後に必要なことはなんですか?

行政文書の場合は、開示の通知があった日から30日以内に、開示の実施方法等申出書を提出して、閲覧や写しの送付といった開示の実施方法につき申出をします。(行政機関の保有する情報の公開に関する法律14条2項、3項)

法人文書の場合も同様です。(独立行政法人等の保有する情報の公開に関する法律15条3項、4項)

これに対し、地方自治体(東京都の場合)は、開示請求時に実施方法の記載欄がありますので、改めてこのような指定をする必要はありません。

 

非開示となった場合どうすればよいですか?

非開示決定を知った日の翌日から起算して3ヶ月以内、非開示決定のあった日の翌日から1年以内に、行政に対して不服審査請求をすることが可能です。(行政不服審査法18条1項、2項)

また、非開示決定を知った日から6ヶ月以内、非開示決定のあった日から1年以内に、裁判所に対して取消訴訟を提起して非開示決定の取り消しを求めることが可能です。(行政事件訴訟法14条1項、2項)

 

行政書士に頼まないと難しい手続ですか?

 情報公開制度自体は国民の知る権利に資するという制度目的があるため、安価で利用しやすい制度となっています。そのため、個人でも十分請求できる制度ではあります。

 しかしながら、目的文書の特定や請求先の判断が必要なこと、請求した後も文書の特定のために担当者とのやりとりが必要なこと、役所は土日祝日は休みであるため平日にこれらのやりとりが発生することといった「手間」の部分が実際上の問題点であると思います。

 また万が一非開示となった場合、その後の不服審査の段階から行政書士が関わるということは法律上認められていないため、請求者自身で不服審査をしていただくことになりますが、これに関しては法律の知識がなければ難しい手続きとなります。その他とりうる手段としては、内容を改めて再度開示請求をしその結果を待つ、弁護士に相談して不服審査や取消訴訟を提起する、といった手段も考えられますが、どうしても時間や費用のかかる手段をとなります。

 こういった事情を踏まえ、開示請求の段階から行政書士にお任せいただくこともご一考いただきたいと思います。

開示請求費用25,000円(税別)

内訳
保有機関、対象文書の特定作業 5000円
請求書面の作成・提出作業 5000円
担当者との応対を含む一連の受領手続 15000円

※写しを請求する場合、別途コピー代がかかります。
※不服審査請求に関しては別途ご相談となります。